栄養科| 医療法人福井心臓血圧センター / 福井循環器病院

栄養科科長

栄養科は、薬剤・栄養グループに所属し、給食管理・臨床栄養の両面の充実を目標に日々努力しています。給食管理では《安全・安心・喜んで頂ける食事》を目標にして、管理栄養士・調理師合わせて18名のスタッフが365日の毎食の食事作りをしています。
毎日の入院生活にメリハリを付けるために、毎月の行事食を大切にして提供しています。おせち料理・節分・ひな祭り・端午の節句・七夕・お月見・冬至・クリスマスなどにはメッセージカードを添え、とても喜ばれています。また、患者さんの希望・要望に応えて朝食のパン食・おにぎり・麺類、形態ではきざみ食・とろみ食など個々に細かく対応しています。
一方、臨床面では「生活習慣病教室」において栄養・食事療法についての情報提供を行い、最近は「NST」（栄養サポートチーム）を立ち上げました。コアスタッフとして栄養管理の必要な患者さんのケアに参加し、チームをまとめてラウンドや勉強会にも積極的に参加しています。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　科長　荒井　知子

ご入院中の配膳時間等、お食事に関しましてはコチラをご確認くださいませ。

心臓を守る食生活

○脂身の多い肉類や卵類の摂り過ぎに注意する

肉の脂身には飽和脂肪酸という血中の総コレステロールを上げる脂肪が多く含まれています。
鶏卵や魚卵はコレステロールが多く含まれています。

○良質の蛋白質をとる

蛋白質は血管を強くしなやかにしてくれます。動物性たんぱく質（脂身の少ない肉、魚類など）と植物性蛋白質（大豆・大豆製品）をバランス良く摂りましょう。

○糖質の摂り過ぎに注意する

糖分の多い食品やアルコールの摂り過ぎは、肥満・血中の中性脂肪増加の原因となり、動脈硬化症を促進させてしまいます。
お菓子、アルコール、炭酸飲料、果物の摂り過ぎに注意！

○食物繊維を積極的に摂る

野菜に含まれる食物繊維は、体内の余分なコレステロールや塩分を体外に排泄させる働きがあります。また、血圧を上げる原因となる便秘の解消にも役立ちます。

○カリウムを充分に摂る

カリウムは細胞内にたまっているナトリウムを追い出し、塩分の害を緩和して、血圧降下に役立ちます。特に、利尿降圧薬を服用している場合、ナトリウムと一緒にカリウムが排泄されてしまうので、積極的に摂りましょう。
海藻、果物、芋類、野菜類に多く含まれています。

○食塩を控える

ナトリウムは、体の中の水分量や濃度を一定に保ったり、食物の消化・吸収を促進するだけでなく、血圧を一定に保つという、生理的に重要な作用を持っています。しかし、摂り過ぎると、浸透圧のバランスが崩れ、血液量が増え、血圧を上昇させます。この状態が長く続くと高血圧症をきたし、さらには心臓病や脳卒中への危険性も高まります。塩分は控えましょう。

減塩食のポイント

1.麺類のスープはできるだけ残しましょう
2.汁物は１日1杯までに
3.漬物は即席漬けを少量
4.加工食品はとりすぎないように
5.しょう油は、だしで割って少しだけ
6.化学調味料も少なめに
7.食材のもち味を生かすよう工夫しましょう
8.酢、ゆず、レモンなどの酸味を利用しましょう
9.しそ、ねぎ、みつば、ごまなど香りのある野菜を利用しましょう
10.こしょう、わさび、からしなどの香辛料を上手に利用しましょう
11.食べ過ぎると、結果的に塩分の摂り過ぎにつながります。腹八分目で
12.外食は味付けが濃いので要注意

献立例その1

栄養価

エネルギー	753kcal
たんぱく質	22.8g
脂質	15.7g
塩分	2.2g

4月上旬に桜の開花時期に合わせて昼食に花見弁当を行いました。春らしい色合いと菜の花を使い、弁当風にすることで、いつもとは違った雰囲気を感じて頂けると思います。
当院では、積極的に季節ごとに行事食を取り入れています。

ご飯
180g

天ぷら盛り合わせ
エビ	･･･	1尾	生しいたけ	･･･	1個
ししとう	･･･	2本	小麦粉	･･･	20g
にんじん	･･･	20g	卵	･･･	5g
なす	･･･	1/4本	塩	･･･	0.5g
油	･･･	10g	レモン	･･･	1/12個

煮物
凍り豆腐	･･･	2/6枚	塩	･･･	0.3g
にんじん	･･･	10g	かぼちゃ	･･･	50g
だし	･･･	0.5g	上白糖	･･･	1.5g
上白糖	･･･	6g	しょうゆ	･･･	2g
オクラ	･･･	1本

ごま和え
菜の花	･･･	30g	白すりゴマ	･･･	2g
しょうゆ	･･･	2g

漬物
桜漬け	･･･	10g

おやつ
蒸まんじゅう	･･･	1個

果物
いちご	･･･	40g

献立例その2

栄養価

エネルギー	591kcal
たんぱく質	20.8g
脂質	7.7g
塩分	2.5g

卵１個（５０ｇ）で主菜のボリュームが作れ、油を使わず、１４０kcalと低カロリーな一品です。

＜作り方＞

①具材（玉ねぎ、にんじん、カニ足フレーク）をひたひたの水で煮立たせ、塩少々で味付けをする。
②溶き卵１個を加え、蓋をして蒸し煮をする。
③あんを作り、グリンピースを入れて②にかけて出来上がり。

ご飯
180g

かに玉風
卵	･･･	50g	酢	･･･	6g
カニ足フレーク	･･･	20g	上白糖	･･･	3g
たまねぎ	･･･	40g	しょうゆ	･･･	3g
にんじん	･･･	10g	片栗粉	･･･	1.5g
塩	･･･	0.3g	グリンピース	･･･	5g

煮物
里芋	･･･	50g	上白糖	･･･	4g
しょうゆ	･･･	4g

中華風和え
ほうれん草	･･･	60g	ごま油	･･･	1g
もやし	･･･	50g	しょうゆ	･･･	3g
にんじん	･･･	5g

献立例その3

栄養価

エネルギー	519kcal
たんぱく質	21.9g
脂質	7.1g
塩分	1.7g

～減塩調理のポイント～

辛子酢味噌和えでは、酢をくわえることで酸っぱさがアクセントになります。
辛子は塩分がほとんどない上、その香味が効いて薄味が気にならなくなります。
他、わさびや生姜、しそ、みつばなど香りの良い素材に代替えしても同じ効果があります。

ご飯
180g

焼魚
さわら	･･･	1切れ	レモン	･･･	1/12個

辛子酢味噌和え
きゅうり	･･･	60g	野菜はんぺん	･･･	15g
白はんぺん	･･･	15g	だいこん	･･･	60g
上白糖	･･･	4g	にんじん	･･･	30g
酢	･･･	5g	いんげん	･･･	20g
みそ	･･･	3g	上白糖	･･･	3g
粉からし	･･･	0.5g	しょうゆ	･･･	4g

献立例その4

栄養価

エネルギー	643kcal
たんぱく質	18.9g
脂質	17.0ｇ
塩分	1.6ｇ

オランダ煮とは

食材を油で揚げた又は炒めた後、煮汁を加えて煮た料理のことです。
長崎県から日本全国へと広まった西洋の調理法とされ、江戸時代に出島からオランダとの貿易を通して伝わったことから「西洋国の」という意味合いでオランダ煮の名前がついたとされています。
凍り豆腐の他、鶏肉や魚、じゃがいも、なす、こんにゃくなど用いても美味しいです。

ご飯
180g

オランダ煮
凍り豆腐	･･･	3/4枚	だいこん	･･･	50g
片栗粉	･･･	10g	ふき（水煮）	･･･	20g
油	･･･	8g	上白糖	･･･	3g
にんじん	･･･	20g	しょうゆ	･･･	4g

きんぴら
れんこん（水煮）	･･･	60g	油	･･･	2g
鶏ひき肉	･･･	20g	しょうゆ	･･･	3g
にんじん	･･･	20g	白いりゴマ	･･･	2g

果物
オレンジ	･･･	1/4個