MIDCAB 低侵襲バイパス手術
低侵襲冠動脈バイパス術 :MIDCAB
冠動脈のカテーテル治療と外科的バイパス手術
狭心症や心筋梗塞などの冠動脈疾患に対する治療として、胸を切らずに治療を行う経皮的冠動脈形成術(PCI)は患者様の体への負担が少ない治療法ですが、より重症例、複雑病変においては、胸を切って行う冠動脈バイパス術(CABG)の方が長期的には良い選択である場合があります。特に、全下降枝病変に対する左内胸動脈の吻合(LITA-LAD)の20年開存率は95%以上であり、非常に長期開存率の良い治療法です。しかし、通常CABGを行う際は、胸の真ん中を縦に30cm程度切る必要があり、患者様の負担が比較的大きい治療法です。(図1)
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低侵襲冠動脈バイパス手術(MIDCAB)
当院では、CABGにおいて、LITA-LAD吻合(図2)であれば、左肋骨小開胸アプローチによる低侵襲の冠動脈バイパス術(MIDCAB)を行えるようになりました。この手術では、傷の大きさは8cm程度で済み、骨を切る必要もないため、出血量や輸血量がより少なくなります。また、傷の位置が左側胸部になることで傷痕が目立ちにくく、整容面でも優れた方法です。(図3)図2 | 図3 |