先天性心疾患
当院では、生まれつきの心臓の構造の病気である「先天性心疾患」に対する外科治療も行っております。
当院の手術第一例目は、代表的な先天性心疾患の一つである動脈管開存症に対する手術でした。
現在では、京都府立医科大学附属病院とも密に連携をとり、難易度の高い疾患に対する段階的手術なども行い、良好な成績を収めております。
少子化の影響はあるものの、手術成績や周術期管理、遠隔期内科管理の向上に伴って、成人期に達した患者様に対する手術介入も増えてきております。
左心低形成症候群に対する段階的手術
1.術前
2.両側肺動脈絞扼術後
3.Norwood手術後 (新大動脈弓再建)
4.Glenn手術後 (上大静脈-肺動脈吻合術)
5.Fontan手術後 (下大静脈-肺動脈血流路作成術)
術前 | 両側肺動脈絞扼術後 |
Norwood手術後 (新大動脈弓再建) |
Glenn手術後 (上大静脈-肺動脈吻合術) |
Fontan手術後 (下大静脈-肺動脈血流路作成術) |
心室中隔欠損症・肺動脈閉鎖症・主要体肺動脈側副血行路に対する段階的手術
1.術前
2.Unifocalization (肺動脈統合手術) + 姑息的右室流出路再建術後
3.Rastelli手術後 (心室中隔欠損孔閉鎖術、根治的右室流出路再建術)
術前 | Unifocalization (肺動脈統合手術) + 姑息的右室流出路再建術後 |
Rastelli手術後 (心室中隔欠損孔閉鎖術、根治的右室流出路再建術) |
大動脈弁疾患に対する自己肺動脈弁移植手術(Ross手術)
1.術前
2.Ross手術後 (冠動脈移植術を含む自己肺動脈弁移植術)
術前 | Ross手術後 (冠動脈移植術を含む自己肺動脈弁移植術) |
軽症例(心房中隔欠損症や心室中隔欠損症など)には小切開手術(5−10cm)を行っております。
また体重10−15kg以上の軽症のお子さんに対する心臓手術の場合は、無輸血手術も試みております。
小切開手術
1.胸部正中切開
2.側開胸
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胸部正中切開 | 側開胸 |
小児心臓血管外科では、小児科と連携をとり、術前管理から手術、術後管理へと一貫した診療体制をとっております。
また隣接した福井愛育病院とも密な連携のもと、手術時期を失することなく適切な治療介入ができるよう心がけております。
福井県の心疾患を持ったお子さまの明るい未来のために日々邁進していきたいと考えております。