医療法人 福井心臓血圧センター / 福井循環器病院

0776-54-5660(代) 〒910-0833 福井市新保2丁目228番地
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病院紹介

大動脈疾患
大動脈の手術は以前は死亡率が極めて高く、手術件数も少ないものでしたが、手術成績が安定してきた為か、生活様式の変化で患者数が増加してきた為か増加傾向であることは間違いありません。
長年の変化により瘤のように膨らんだ状態を真性動脈瘤といい、通常は殆ど症状がありません。しかし、周囲の臓器を圧迫したり、破裂したりしますと病態は急変します。ある程度の大きさ(直径5〜6cmといわれます)に達した動脈瘤はいつ破裂するかは誰にも解りません。そういった患者さまは常に危険な崖っぷちを歩いているようなものです。症状が無いからといって決して安心はできません。一度本症の診断を受けられたら、専門医に相談なさることをお勧めします。

大動脈解離

真性動脈瘤の対極をなす病気に大動脈解離があります。これは大動脈自身の壁が内部で裂け2枚に分かれてしまう病態(解離)で、ほんの数秒で完成されるといわれます。 大動脈から分岐する種々の動脈も巻き込まれることが多く、病態を複雑化しかつ重症化します。これは心臓に近くなればなるほど破裂しやすく緊急性が増してきます。ショック状態で手術が始まることも多々ありますが、近年はこういった難しい病態に対しても手術成績は安定化してきており、当科は24時間いつでも手術のできる体制にあります。
手術について
どちらの疾患も基本的には病変部位をポリエステル製の人工血管に置換する手術となります。部位によって手術内容、補助手段が異なりますが、特に大変なのは脳に血流を送る弓部大動脈の手術です。ご存じかと思いますが、ヒトの脳は通常3分間血流が遮断されますと不可逆性の変化、いわゆる脳梗塞に陥ります。
その為、この部位の手術には超低体温、循環停止法という手段がとられます。ここでは体温は25℃以下に下げられ、脳以外の循環は止められます。術後の脳障害の発生は現在では5%以内に抑えられ安定した成績が得られるようになりました。
上行弓部置換術
上行弓部置換術

末梢血管:閉塞性動脈硬化症

主に下肢の血管が動脈硬化により閉塞や狭窄を起こし、下肢の冷感や運動後の痛みだるさ、さらにひどくなると潰瘍化してきます。血管造影後、バイパス治療や、風船・ステント療法が行われますが、治療不可能の場合は下肢切断も覚悟しなければなりません。